RVA レヨンベールアクア水草図鑑

Copenhagen Professor Niels Jacobsen(ニール ヤコブセン博士)と佐々木 対談 in コペンハーゲン

ヨーロッパにはクリプトコリネについて、古い歴史を持ちもっとも精力的に研究活動しているヨーロピアンクリプトコリネソサイティー通称ECSがある。
ECSは約30年以上運営されておりクリプトコリネについてさまざまな現地データーや栽培データーや標本など集められており、また3・4年に一度学会が行われ意見の発表や交換会が行われている。
今回も世界各国からECS会員が集うクリプトコリネの学会が2002年10月11日より3日間スイスのチューリッヒで開催されることになった。
参加者は世界のクリプトコリネ界を代表する、ヤコブセン博士・バスメーヤー氏・ボグネール氏・カトネール氏・ウィンガーデン氏など学者・研究者・栽培家など総勢28名が集った。
本学会はチューリッヒ郊外の山間部にある眺めの良いホテルで2泊3日で行われ、
ボルネオ サラワク・スリランカ・スマトラ バンカ島・タイ・マレー半島・フィリピン・シンガポールの各産地のクリプトコリネについてさまざまな論点でスライド交えながらの会議が行われた。
日本では紹介されていないクリプトコリネ×ティマヘンシスなどの興味深い新種の公開や、赤い花を持つスリランカのクリプトコリネ アルバなど興味深い内容であった。
その中で私はボルネオ・カリマンタンに分布するクリプトコリネについての調査レポートを発表した。
特に2000年に発見しその後数回にわたり各産地で調査し新種とされる(記載準備中)
日本国旗カラーに似たとヨーロッパでは称される白花に赤紫のスポットが入る美しいクリプトコリネである(仮称)ユウジィや、一見ブローサやキーなどの葉に近いと思われたがまったく違う長い仏縁ほうを持つ(仮称)ウエノィや、プルプレアではなかろうか?と言われていたSP2やSP3aなど深紫の仏縁ほうを持つ
クリプトコリネの発表を行なった。
今学会ではそれら3種の新種の詳細なデーターやレポートなどは特に興味の中心になっていたようである。当然クリプト界では新種が出ることは非常に珍しいことであり、その中で皆の満場一致で認められた。
我が国の代表として3種の新種が日本人によって発見記載されることは名誉あることで光栄である。
現在これらの種は世界でもっとも水辺植物で権威のある季刊誌アクアプランタに記載論文が掲載されるので発表が終わり次第、機会があれば我が国でも掲載したく思う。
今回はその学会の前にニール ヤコブセン博士と会いクリプトコリネについてのさまざまなことを語らうべくコペンハーゲンに旅立つことにした。 デンマーク コペンハーゲン
「パンケーキのように平ら」と形容される国デンマーク王国は山や丘などほとんど見られず平坦な地形を有しヨーロッパ大陸から北へ延びるユトランド半島と、500ほど点在する島々で成り立っておりヨーロッパというより北欧の南に位置する。
デンマークの首都コペンハーゲンは一種独特の重量感がある町並みであり、市庁舎より高い建物を立ててはならない条例があり古くなった建築物も容易に壊せないほど徹底した政策が敷かれている。
また第二次世界大戦中もナチスドイツに降伏し町を戦火から守った歴史もあり、
よって北欧ルネッサンスの建築美がそのまま残る魅力的な町である。
日本ではようやく長袖に衣替えが行われるころデンマークでは気温が6~8℃と厚手のコートが必要な気温であった。その寒さと低湿度のせいか空の色が澄み切っているように見えた。
コペンハーゲンのカストロップ国際空港はガラスが多用され明るくシンプルに整備された建物で案内表示も非常にわかりやすく綺麗である。さて、いよいよ空港内の待合室でニール ヤコブセン博士と待ち合わせをしていたので所定の場所に向かうと時間通り彼は穏やかな表情で迎えてくれた。
彼の研究所まで電車やバスの交通機関を利用してゆっくり素晴らしいコペンハーゲンの景色を眺めながら向かった。
空港の地下には駅があり空港を出て容易にコペンハーゲンの町までアクセスできるようになっている。
さすがヨーロッパらしく近代的かつ機能的な作りを意識しているようだ。
空港の駅から電車で15分ほど快適に過ごすと中世から続くコペンハーゲンの町並みが車窓から眺められ素晴らしい景観であった。
コペンハーゲン中央駅 昔からの景観を損ねずハイテク化している。まさにヨーロッパ人の歴史や文化を大切にする気持ちが理解できる。
広いコペンハーゲン中央駅構内はアーチ型の建築物である。
コペンハーゲン中央駅の外観
町中古く美しい景観が途切れなく続く・・
中央駅前のチボリ公園 4月中旬から9月中旬の間だけオープンする
コペンハーゲンの中心に市庁舎がある106mの塔を持つ赤レンガの建築物。
中世デンマーク様式と北イタリアのルネッサンス様式を取り入れ重量感あるたたずまいを見せている。
市庁舎前広場
警官が馬で巡回・・信号待ちで止まっている様子
この町は交通マナーがよく驚くことに自転車も信号を忠実に守り誰一人として
信号無視をする人は見られなかった。
ヨーロッパでも屈指の歩行者天国であるストロイエ
コペンハーゲン発祥の地クリスチャンスボー城
大人のおまけ・・・
デンマークは世界に先駆けてエロチズムを解禁した。
世界で第一号といわれる性博物館があり中世のエロチックな絵画など展示されておりさまざまな歴史を見ることができる。

クリプトコリネの種類