RVA レヨンベールアクア水草図鑑

ボルネオ島 クリプトコリネ探査日記 2005年9月

9 月 15 日 今日は 12 時発の予定で、朝早起きして資料をまとめるつもりだったが、急遽 9 時朝食後 Bau に向けて発つ事になる。準備を急いだせいか、メーター一式、ビニール袋等を忘れてしまった。 Bau 途中 3 , 4 箇所見て回るが、何も発見できずに終わる。 Bau周辺洞窟がすばらしかったので途中下車して写真を撮ることにする。ところが、準備不備にもかかわらず、運が味方したのかそこで Cr フェルギニアを発見。撮影後採取にかかる。メーターを忘れたので水をペットボトルに詰めるため、再度フェルギニア地域に足を運ぶ。するとブラウンリーフ、トラ目いりフェルギニアに出会う。運がいいのか悪いのか。結果よければすべて良しとしておこう。 再度希少フェルギニアを採取して Bau で昼食をとる 14:43 。インドネシアに近いせいか、料理の味が今までと違い濃い味だ。量も多かった。 Mi スープとナシゴレンセットは普通でも多いが。。 Te も今までに無くフルーティでおいしかった。持ち帰った水を計測すると、 Ph7.4 - TDS128 。ちゃんと念を入れてボトルを洗ったが、この値は非常に疑問だ。石灰岩洞窟脇の水で TDS が高めなのは予想してたが、ボトルの中で水質が変わるのも腑に落ちない。 次に、 Cr ・ Kee の所へ直行する。いきなり雨が降り出して、みんな裸で採取することに。採取後雨が止んだので、すかさずビデオカメラを取りに行き、佐々木氏と上野氏のヌードショット。カメラマンの私は恥ずかしいので映していない。ここの水も持ち帰り計測するがここも Ph7.3 - TDS121 。メーターの故障かと思い、校正液で調整するが同じだった。不思議だ。自分の失敗が悔やまれる。 その後、佐々木氏が今まで発見したことが無い地域に突入。知り合いの素人クリプターが発見したとの事でそれを見つけようとしていたが、見つからない。 5 時 30 分を過ぎ、そろそろ暗くなりかけた。後一箇所見落としてる場所があるので、明日に期待する。
後日Bau石灰岩地方の水質について再度調査したが、やはりTDSは120辺りで正しかったようだ。石灰岩が水質に影響しているようだ。


9 月 14 日 5 時 20 分発。午前 4 時ごろからコーランが町中に響き渡っており、現在の世界情勢に想いをはせ、複雑な心境だった。 今日は、クチンまでの帰り道で過去に探索採取した場所を巡るので、探し出す必要の無い 1 日だった。午前 5 時 30 発で、直ぐ朝食を取る。 Sibu からクチンに下降するに従い麺が細くなっていくようだ。 Te の味は作る人の好みだろうが、同じ味が無いのは面白い。 第1ポイント: SG シブリック( Ph:7.0-TDS:12-25.1 ℃) Cr ブローサ。ランナータイプで、広範囲にわたる。採取後、 7 時 4 分発、次のポイントへ。 第 2 ポイント: Bentong 方面( Ph:3.8-TDS:26-25.0 ℃) Cr パリジネルビア、ロンギカウダの混成だが、 100 対 1 の割合で、ロンギカウダが多い。パリジネルビアは先が丸く大きい。ロンギカウダは先が尖り、ギザギザである。ここでは、上野氏が奥地でラン?を見に行く。第 3 ポイント: SG ・ Engkramut 川( Ph:3.8-TDS:26-25.3 ℃) Cr ゾナータ。範囲が狭く採取諦める。川の片側が伐採されており、少なくなったようだ。数ヵ月後この場所から絶滅危惧される。 第 4 ポイント: SG ・ SabalKruin ( Ph:6.2-TDS:10-26-25.1 ℃) Cr ウエノイ。橋をまたいで増殖していた。 Yuji が減り、ウエノイが増える。環境の変化で減ったり絶滅したりするのを目の当たりにする事が多かったが、増えていたので良かった。初採取を試みる。素手で砂利、岩を取り除き茶色い根から綺麗に採取することができた。初採取ウエノイ。上野氏も大喜び。 採取したので、ビデオ撮影無し。写真無し 第 5 ポイント: 行きがけに立ち寄った場所で、増水していて確認できてなかった場所だが、水かさが減り用意に採取できた。( Ph:5.7-TDS:10-26-25.0 ℃) Cr ペルビネ。この場所は秘密の場所である。数年後絶滅しなければ良いのだが。 第6ポイント: 子供達がマンディ中でその中をクリプト採取にジャングルに突入。子供たちと日本語で話したが、言ってることがわかるのか、普通に会話して仲良くなった。純粋な村人たちでみんなかわいい子だった。ビデオを参照。しかしながら、依然あったクリプトが壊滅したらしく、見当たらない。泥沼の中佐々木氏がこける、見つかれば絵的におもしろかった。しかしながら、絶滅したのは仕方が無い。子供たちにさよならを継げ、今日の旅を終える。リングアは無かった。 今日の採取は問題なく終わる。無事クチンに到着。 1 日早いチェックインだが、運良く部屋が空いていた。 MoonCake フェスティバルの時期なので、泊り客が多いようだ。 16 日の午後 2 時以降の滞在は不可能らしい。夕食は、ヒルトンホテルでステーキを食べる。高級レストランで、オーストラリア産の CabFranc を注文。ゴールドリザーブで、甘くて苦い食前酒に持って来いのワインだった。 3 人で会話も弾み、楽しい夕食のひと時だ。ワイン 2 本目はオーストラリアの隣、ニュージーランド産の渋いワイン。リブアイと絶妙のコンビネーションだった。上野氏と私はたしなむ程度だったが、佐々木氏は一人でがぶ飲みして隣の喫煙ルームで諸外国の客たちと戯れていた。デザート時に 3 人参加。みんなで盛り上がる。良い酒なので、悪酔い二日酔いも無いだろう。本日の採取で目的完了したので、とりあえず旅の打ち上げ晩餐会だった。


9 月 13 日 今日も再び新境地開拓の旅。午前 5 時 30 分、 Sibu PremireHotel を発つ。まず最初に Sibu 郊外を出、昨日と同じ Selangau で朝食を済ませる。その後、 SG ・ Duat 川( Ph:6.5-TDS:8 )、 Kua 川( Ph:5.5-TDS: 7 -25.1 ℃)、 Pasai Siong Kanan 川( Ph:5.9-TDS:7-24.9 ℃)まで U ターンし状況確認するが、クリプトコリネは発見できず、 Kua 川水辺に耳掻き草を確認するのみだった。 Duat 川で GPS ポイント確認。Sibu 方面へ戻る途中、 Nibong 川への分岐点より 20 キロほど手前でロングハウス集落地方面の探査に入る。昨日ロングハウス集落地のマンディ池でゾナータを発見したので、期待大だ。ロングハウス沿いの川を発見し、そこで探索開始。 Ph:5.5-TDS:5 好い数字だ。ストリオラータらしき物があり佐々木氏が奥地に入ると、なんとバークレア発見。午前中から今回初のバークレア。今日は良い出しだ。分岐点まで戻り、ロングハウス集落地を探索するが、あまり目星い所は無く、メインストリートへ戻る。Keranji 分岐点より Nibong 川方面経由で Sarikei へ行く。 SG ・ Nibong 川で( Ph:4.0-TDS:11 ) Cr ・ Yuji を探すが、どうやら絶滅したらしい。気を取り直し、 次の地点に希望を賭け出発。 第3ポイント、( Ph:5.0-TDS:6 )で Cr ・ Yuji 発見。 第4ポイント( Ph:6.1-TDS:16 )でストリオラータ。この時に水深が深く、メーターが一時的に使用不能になる。 橋の上で電池落とすが、運良く下まで落ちなかった。( Ph: 6 .7-TDS:10-25.1 ℃)で、アウリクラータ、ストリオラータ。帰りの道が切り倒した木で塞がり、解体撤去作業を手伝う。現地人とのコミュニケーションがとれ、良い経験だった。 その後、 Sarikei の DragonHotel へ直行。町一番の中華料理屋で夕食。 1 日中運転したため、そのまま朝まで熟睡。

9 月 12 日 5 時集合 5 時半出発 Sibu を抜け、 Selangau で朝食を済ませる( 7 時 20 分) Mi を注文する。麺汁共にちゃんぽんそっくりの味だ。香辛料たっぷり加え、目を覚ます。 今日は、国道を抜けて海岸方面探索計画。 Selangau から海岸までは、プランテーション地帯で、途中ヤシオイル工場などを通りながら、小河川にめぼしを着け帰り道に寄れるようメモと記憶に残しながら、目的地 Dalat を目指す。 Selangau から走行距離をリセットし、目ぼしい地点ごとに距離を記入。 14.7 キロ地点の河川で水質チェック。 Ph6.3 、 TDS48 。水質的に普通以下なのでそのまま通過。 20 キロ地点で分岐点発見。岐路途中のコースに入れる。41.5 キロ地点集落を過ぎ、 43 キロ地点にニモホイ植物発見。 53 キロ地点で細道に入り、海岸到着。ブラックウォーターの流れ出す海岸で、水質チェック。驚くことに、 P h 6.5 、 TDS1454 !小さい魚が泳いでいる。ビデオを映す。(Day Two参照) 海岸線を Mukah 目指し、途中の水質をチェックしながら走るが、特に気を引くところ無し。 55 キロ地点、 Ph6.5 、 TDS280 。ブラックウォーターだが、見るからに人為的に造られた水路である。Benaus 川を過ぎ、 104 キロ地点で、 Oya 行きと Dalat 分岐点で、 Dalat 方面へ。 途中、 河口合流地点発見。水高が上下するので、 Cr キリアータ大葉発見するが、採取価値無し。合流前、合流後水質 Ph6.5 、 5.5 。 TDS170 、 240 。 この一帯、すべてはプランテーション区域で、ジャングル自生地皆無。 その後、 あらゆる小道に侵入するが、プランテーションの水路のみで何も発見できない。刺林のある怪しい場所も見つかったが、地下水ポンプ吸い上げ場にたどり着き、そこでも何も発見できない。不思議なことに、水質が不安定。 Ph5.3 、 TDS150 くらいで見た目も汚い。ピート層に水が染みてる感じだ。ビデオに収めているので、帰国後編集要。結果が出ていないので、探索試行錯誤日記になるだけだが。。。 気を取り直し、 Mukah まで戻り、昼食を済ませる。そこで Mi と焼き飯を平らげる。スコールがあったが、直ぐ止む。運転手交代。佐々木氏がハンドルを取り、地図を写真に収め Mukah から上へあがることに。 最後の最後までプランテーションの間を走り、途中集落の裏へ徒歩で侵入。綺麗なブラックウォーターも見つかるが、水質は良くない。クリプト生息地であれば、 TDS5-10 の間が多いが、そこでは 60 くらいだった。 行き着く所まで行き、諦めて引き返すことに。その時点で昼 3 時半を回る。みんなあぜ道、気落ち、気温で疲れ、眠気が襲う。自分は目を覚ますよう努力するが気づいたら寝てた事多々あり。 Bedengan を過ぎ、元来た海岸線分岐地点を Sibu へ逆戻りする事に。 途中集落地左折。 住民にマンディー水場を尋ね、ビデオカメラを回しながら、集落裏スロープを降りる。 水質を調べると、なんと Ph4.0 、 TDS5 のクリプト最適水質。上野氏、佐々木氏が早速、いや終にゾナータ発見。ビデオテープ残り 20 分だったが、水辺の中へボスを追う。沼地で水に沈むが、辛うじてビデオカメラ水上 3 センチ、危なかった。住民の母親と子供がマンディに降りてくる。裸になる様子だったので、ビデオを止め、佐々木氏、上野氏、飯村そろってマンディー場を引き上げる。水辺で蚊に襲われ、服の上からも攻撃を受けたが、痒みが直ぐひいたのには驚いた。こちらの蚊は毒素が少ないのかもしれない。住民の子供達を写真に収め、岐路に着く。愛想を振りまいていたので、問題はなかった。 岐路途中、午前中にめぼしを着けた地点でプチ調査。日が暮れたので、明日の計画の中に盛り込むことにする。
本日は、長旅でみな気落ちしたが、運良く最終地点でゾナータを発見できたので、明日への新たなる希望を維持することができた。9 月 11 日近所のホテル隣の吹き抜け食堂で初の MeeSoup( マレーシア風ラーメン ) と Hot Te (練乳入り紅茶)を頂く。味わったことの無い風味だが、なかなかいける味だ。 Te がこの気候に合うのか、練乳で元気が出る感じである。午前 8 時より車を調達。今回は3人旅になるので、スーツケース3つが入り悪路使用可能SUVをレンタル。2年前のジェットコースター悪路対策だ。日中揺れ続ける悪路で耐久縄跳び状態を味わった佐々木氏の強い要望だ。
今回は新境地Sibu方面まで直行するので、今日は以前のクリプト生息地を確認しながら約500km走破目標。2年前に比べ、ハイウェイが舗装され通常丸々1日掛かるところを半日で走破できた。明日よりシブ地方周辺の探索が始まるので、運転疲れを解消するため個々の部屋に分かれ就寝する。

9 月 10 日日本を午前 11 時に福岡空港を発つ。 6 時間の飛行を終えマレーシア首都クアラルンプールより入国。海外から日本へ帰国すると醤油の匂いがするというが、国ごとに違う香りが漂うみたいだ。赤道直下、地球最後の熱帯雨林が存在するマレーシア。地球上で最も空気が新鮮であろうこの国は、ほんのり甘い香りがした。クリプトコリネ探索の旅を心地よく迎え入れてくれる。 午後 8 時からクチンまでのフライト待ち約 2 時間。今回のクリプト探索首謀者にしてレヨン総本山の佐々木勇二氏、ウエノイ発見者上野一郎氏、初のマレーシア着陸である私、飯村学史 3 人で旅の計画と目標、経験談などを語り合う。待ち時間は、期待と希望で埋め尽くされた。 クチン着夜 12 時半。空港よりタクシーでボルネオホテルへ直行。明日出発時間を合わせるため、一部屋を 3 人で共有することにする。まだ時間に余裕があったので、市外を散歩し、佐々木氏行きつけの店で祝杯タイガービール。明日からの過酷な旅の気付けに、トラを2匹平らげる。 ホテルへ戻り、明日の準備をして就寝。。

クリプトコリネの種類